いつもと変わらない、ある日の夕方。
明るいうちに帰れた日は、なんだか少し得した気分になる。
出掛けるわけじゃない。
でも、不思議と気持ちが上がる。
「りんだ」
毎度のことながら、外で飼っている犬の「りんだ」が出迎えてくれる。
ちなみに、必ずと言っていいほど聞かれる。
「なんで“りんだ”なの?」
りんだは、友人の家で生まれたゴールデンレトリバーの雑種。
初めて会った時には、すでに「りんだ」と名付けられていた。
当時の私も、たしか同じ質問をした気がする(笑)
どうやら、その家では歴代の犬の名前を受け継ぐ文化があるらしい。
二度見!?
車を降りる。
りんだが近寄ってくる。
いつもと同じ光景。
……いや、違う。
玄関へ向かおうとして、思わず二度見した。
ん……?
何かがおかしい。
「りんだ?」
呼びながら顔を見る。
……眉毛ある!?
そもそも犬に眉毛ってあったっけ。
りんだは、ハニーゴールドみたいなきれいな毛色で、まつげまで同じ色。
なのに。
今、目の前にいるりんだには、濃いグレーの立派な眉毛が生えている。
犯人はどっち!?
心の声。
(アイツら……やったな。)
当時、息子たちは小学4年生と1年生。
まさに、やんちゃ盛り。
どっちかが描いたな?
そう思いながら玄関を開け、
「誰だーーーー!!」
「りんだに眉毛描いたのーーーー!!??」
と叫んだ。
すると、
「あー、オレだ」
「いいだろ」
心の声(いいだろ♪じゃねーよ(笑))
しかも、お前かよ(笑))
悪びれる様子もなく、むしろ得意げな父。
60過ぎてもなお、コレである。
ちなみに、この日を境に。
私だけ「りんださん」と呼ぶようになったのである。

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