「合格おめでとう!」
やる気のない息子が高校に受かった。
涙が出るほど嬉しかったのを、今でも覚えてる。
そー10年も前の話だ。
給食から弁当生活。
「俺が作ってやろうか?」
なんと!
父が孫のために3年間の弁当作りをかってでたのだ!
息子は私の方をちらっとみて、私も目配りした。
機嫌が良かったのはいいが、不安しか無い。
そして無事入学式を終え初登校の日
「いってらっしゃい」
駅から学校専用の委託のバスで40分〜50分くらいかかる。
田舎なので車移動が多く、バスに乗ること自体まず無い。
「バスは乗れたかなー」
「学校大丈夫かなー」
「入学初日くらいは作ってあげればよかったかなー」
などと心配はつきないが、過ぎたものはしょうがない。
と思いながら仕事を終え家に帰る。
そして夜
「学校どうだった?」
「誰かと話せた?」
「弁当どうだった?足りた?」
たくさん聞いてしまう。
息子
「・・・」
「弁当」
「ハゼの頭が入ってたんだけど」
えっ!!!
どういうこと?全部?
フタを開けたら、ハゼの頭がたくさん、口を開けて雛の餌待ち雛状態で入ってたというのだ。
カオスすぎる。
しかも初日。
かなりきつい。
見られたら最後・・・
想像しただけで、泣きそうである。
※ハゼとは、汽水域の砂泥底に生息する5〜10cmくらいの小さな魚である。父が釣ってきたのだ。
私
「どうしたの?ご飯だけ食べたの?」
息子
「びっくりして速攻フタを締めた」
そ~なるよねー・・・
(しかし、とーちゃんよハゼのボディはどこいった?)
「絶対忘れられない思い出になった息子、一生物の鉄板ネタを手に入れた」
後日知ったのだが、ボディは内蔵を丁寧に取り、天ぷら用としてすぐに揚げれるように近所に配ったそうだ・・・。
孫より近所の「ありがとう」を選んだ父であった。
恐ろしい人だ。
信じられないと思うが、すべて実話です。
今回もお読みいただきありがとうございました。
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